市民にトリアージを教える理由

 普段そうであるように、怪我をしたら医療機関で診察をし、治療を受ける。
これは災害時でも変わりません。トリアージは医療行為であり医師、看護師、救命救急士
が行うことが原則なのは当然です。
 では医師も、看護師も、救急隊もいない、呼んでも来る可能性がないところで、
市民しかいないところで多数のけが人が出たらどうするのか。
責任がもてないから何もしないでいいのだろうか。一見元気そうなクラッシュ症候群の
患者を後回しにして、騒ぐ軽傷者を病院に運んでいいのだろうか。

 現場に医師がいる場合、いないが来る可能性がある場合、来る可能性が殆どない
場合で対応は違うはずです。
 東海地震ではどうだろうか。清水市と合併する前の旧静岡市を例にとります。
重傷者2,625人が想定されています。市内に総合病院は6病院あります。1病院あたり
400人以上の重傷者が入院することになります。これは病院の総力を上げてもできる
かどうか分からない数字です。少なくともいえるのは、病院の医師は集まってくるけが
人で手一杯で現場で医療をする余裕はないということです。
 では開業医はどうでしょう。旧静岡市の中等傷者は11,977人です。
このけが人を救護所でトリアージし応急処置をする開業医は、旧静岡市に300人います。
一人40人を処置しなければなりません。重傷者も救護所でトリアージして病院に送る患
者もいるし、医師会員も全員が活動できるわけではないことを考えると一人の医師で
100人以上を治療しなければならないと思われます。開業医も現場にはいけません。
 
 一番頼りになる消防はどうでしょう。旧静岡市で470名の隊員がいます。
では消防に求められる仕事は何でしょう。重傷者2,600人の搬送と、生き埋め3,800人
の救出と火災による建物焼失24,000棟の消火です。消防団1,300人を加えてもやり
切れる仕事ではないでしょう。
 私達NPOは、市民に 自分が大丈夫だったら周りを助けてください とお願いして
います。被災直後の生き埋めの救出やけが人の処置や搬送は市民の仕事なのです
主役は市民と考えています。
 現場で救出し、多勢のけが人に最初に触れる市民がトリアージを知っていれば、その
患者を病院に運ぶのか、救護所に運ぶのか、また誰から先に運ぶのかが分かります。
これが市民にトリアージを教えている理由です。

【救護所トリアージ表】は救護所で医師が行うトリアージ表です。
【市民トリアージ表】 は現場で市民がけが人を病院に運ぶか 救護所に運ぶかを
         判断するためのものです。

   
クリックすると大きな表が開きます
                       
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